長谷川等伯展
長時間並んで待つのを避けてきた私が、久々に90分という長蛇の列に加わった。東京国立博物館でもうすぐ終わる「長谷川等伯展」だ。
http://www.tohaku400th.jp/
13時30分に着くと「90分待ち」のプラカード。げーっと思ったが、スケジュールが今日しかアキがない。天気もいいし、日光浴と思えばと並ぶ。並ぶと多くの人がまずこの長蛇を携帯で写す。
「なんでこんなに見に来るのかね」「ほんと、こんなに来なくてもいいのにね」と言いつつ並ぶ方々。ほとんどが中高年だが、ちらほら若いグループも。私の隣は親子3人組。
列はゆっくり進み何回も蛇行を繰り返す。女性の多くは日除け対策ににわかスカーフを頭に乗せ始める。本を読んでいる人も多い。90分だからけっこう読めるだろうな。60分たって列が何度目かの折り返しをしたとき、平成館と本館の間の細い空間から建設中の東京スカイツリーが見えた。まだ半分の高さというが大きいなあと思う。一巡して次に同じコーナーに来たときはもう角度が違って見えない。
ようやく入口まで最後の一列目となり入場したのはきっかり90分経った15時。中での渋滞を少しでも緩和するため100人ぐらいずつ入場させていた。おかげで観覧はまあまあ見て回れた。待ったのは90分、見るのが60分、計150分立ち続け、見終わって1階ロビーのイスにのびていた人も多かった。
だが皆さんよくご存知だ。これだけ等伯を一堂に、しかも眼前に見られる機会はないだろう。のろのろ進む列のせいで、私なんぞ常よりじっくりとその筆のリズム、勢い、息遣いを賞味し、空間処理の見事さに唸った。さすが等伯はビッグスターであった。
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